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見え隠れする市民施設

Blurred Boundary

士期間/個人   完成時間:2022年8月

M1  Completion time:2022/08

中国北方の伝統的な四合院家屋建築のように、

正房を出て中庭を通り抜けて、にぎやかな路地に出たところで本当の意味で外部空間に至ったことになり、

その境界はどこにあるかわからないこともある。

そして、建築や都市の空間は外に開き、 境界が消え、そこには曖昧な状態を許容する新しい関係性が発生しており、

私と公、人工物と自然、内部と外部といった 対立する2つの領域の中間にある厚みのある境界、

すなわち 境界空間が生まれてくる。それは境界空間を考え始めたきっかけである。

敷地ー荒川の土手

板橋区の北側を流れる荒川の河川敷には、いろいろな運動場(野球・テニス ・サッカー・陸上競技)や自然に触れることのできる生物生態園などがあります。

河川敷沿いに長く続く土手にはカミツレやポピーなどの花もたくさん 咲いています。

毎年3 月にはマラソン大会が、8 月には花火大会が開かれます。

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見え隠れする空間の要素
境界をコントロールするということは、人と人、人と物、人と自然の関係を繊細にコントロールし、調整することのできる建築である。

形としての自分を主張するだけの、自己中心的な彫刻的建築ではなく、様々な関係性のコントロールのために存在する、関係の建築、調整型の建築のことである。

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​平面図

見え隠れする空間の透明性・ファサード
透明性とは空間的に異次元に存在するものが同時に知覚できることをいうのである。

空間は単に後退するだけではなく絶えず前後に揺れ動いているのである。

透明な像の位置は、近くにあるかと思えば遠くにも見えるといった多義性を秘めているのである。
--西沢立衛《ガラス / 透明性 を巡る思考》--


・ファサード
均質さを保ちながらも変わり続ける表情、建築から感じる経年変化や透明性といったある種の曖昧さを表現。

角度を緩やかに調整することで動きの感覚を呼び起こすファサードをつくり、

それが都市のテクスチャーに連続するような効果を生み出すよう設計した。

街ゆく人々にとってこの建築は何階建てなのか、

どのくらい奥行きがあるのか、

内部が見え隠れする繊細な存在感をつくり出すために角度の検証を緻密に行った。

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